マダムHarukoのフランスレポート

フランスのお正月
2016.2.1 フランス,アンジェ,年末年始,カウントダウン,マダムHaruko
よく日本の友人から、「フランスのお正月ってどんな感じ?」と聞かれます。
日本のクリスマスといえば、友人や恋人と賑やかに過ごし、お正月は家族としっとり過ごすというイメー ジですが、フランスはその逆。クリスマスには家族が集合し、お正月は友人たちと集まります。

さて、今年の年末年始は私もフレンチスタイルで楽しもうと、フランス・ロワール地域のアンジェへ。
アンジェは、パリのモンパルナス駅から高速鉄道TGVで約1時間半。最も美しいフランス語を話すことでも知られるこの地は、 “la douceur Angevine” (心地よいアンジュー)とも呼ばれ、人の温かさや気候が穏やかであることも表すのだと、地元の人に教わりました。
今回宿泊したのは、TGVのアンジェ駅からホテルの送迎車で15分の所にあるホテル「Loire & Sens」。 フランス政府公認の17世紀の歴史的建造物が残る敷地に合わせたコンセプトの元、1年半前に新しく建てられました。パリの高級ホテルほどの豪華さはありませんが、伝統とモダニズムが調和した清潔で心地良いホテルです。部屋の窓からつながるウッドデッキと、自然いっぱいの眺めがもたらす開放感がとても素敵でした。
ホテルから15km、タクシーで20分ほどのアンジェの街に出かけると、17の円塔を配した城壁に囲まれるアンジェ城や、街の中心にそびえ立つサン・モーリス大聖堂が見られます。また、石畳の小道を散策しながら、美術館、画廊をはじめ、様々なショップを覗いて楽しめます。
日本でも人気のふわふわした食感のチーズケーキ「クレームダンジュ」をはじめ、アンジェの伝統的銘菓「ケルノン」(青色に染めたチョコでコーティングされたナッツ入りの薄いヌガー)、地元のショコラティエBenoit(パリ4区にも出店している)の名品「カラマンド」などなど、スイーツ巡りにも事欠きません。
また、街の周辺にはワイナリーも多く、私が訪ねたワイナリー「Domaines des Rochelles」(要予約) では、5代目オーナーが出迎えてくれました。75年続くこのワイナリーには、フランスの大御所俳優ジェラール・ドパルデュー(ここから30kmの場所に自分のワイナリーを持っているらしい)や故パトリック・ドベールも訪れたことがあるそうです。
広さは56ヘクタールにも及び、クレマン(スパークリングワイン)、赤、白、ロゼなど16種類のワインが作られます。最近は、手頃な値段のクレマンの人気が伸びているとか。 普段はシャンパンに目がない私ですが、このクレマンのフレッシュ感と繊細さの絶妙なバランスは格別でした。また、個人的には、甘口でミネラル感のある白の貴腐ワインがオススメです。
待ち焦がれた大晦日は、ホテルのレストラン「La Table Loire & Sens」でカウントダウンディナーを予 約。事前に渡されたメニューの豊富な品数を見て、今夜は食べるぞ!と意気込み、まずはホテルのフィットネスルームへ。ランニングマシーンで軽く走り、プールで泳ぎ、そして仕上げにスチームサウナで汗をかき……、心も身体もスッキリ整えディナーに備えます。

レスランには、夜の8時過ぎから徐々にお客が到着し、9時には80席が満席に。ホテルの宿泊客だけでなく、近所の人たちも来ているようで賑やかです。このレストラン以外にホテル付帯の2カ所、17世紀の建造物内にある宴会場と同オーナーの持つ壮大なお屋敷(12世紀の小修道院)でも、同時にカウントダウンパーティーが行われるのだとか。
正直、こんなに大勢のお客がいる宴会メニューでは、美味しい料理は期待できないかも?と不安になっていましたが、これがびっくり!物凄く美味しいのです。
特に地元の新鮮な野菜を使った料理が抜群で、火の入れ具合やホタテ貝と一緒に出されたピュレの繊細な味に感動!翌日ホテルのオーナーに話を聞いたところ、このレストランのシェフは、パリのブリストルホテルのメインダイニング、ミシェラン三ッ星の「Epicure(エピキュール)」で修行した経験を持ち、野菜料理を大得意としているとのこと。

次々に出される料理とワインに舌鼓していると、突然レストランにいる皆が、10、9、8とカウントダウンの声を上げはじめ、 3、2、1!と一斉に席を立ち、「Bonne Année!」(新年おめでとう!)。隣のテーブルの、初めて出会ったお客と頬にキスを交わし、ギャルソンが注いでくれるシャンパンで乾杯。レストランのマネージャーも1つ1つのテーブルに、新年の挨拶を述べて回ります。 とは言っても、やはりここは愛の国フランス。新年の挨拶はまずほっぺにキス!
日本のお正月も魅力的ですが、フレンチスタイルもなかなか良いものです。アンジェでのフレンチスタイルの年越しは、華やかで賑わいがあって、とても楽しい新年の始まりとなりました。