マダムHarukoのフランスレポート

カルヴァドス「Christian Drouin(クリスチャン・ドルーアン)」を訪ねて

2016.9.22 カルヴァドス,クリスチャン・ドルーアン,Christian Drouin,りんご酒,ノルマンディー,カルヴァドス地方,蒸留酒,マダムHaruko

フランスのバーやレストランでメニューを開くと、食後酒のページに、カルヴァドスというお酒を目にします。これは、ノルマンディー・カルヴァドス地方特産のりんごの蒸留酒であり、オーソドックスに食後酒としてストレートで飲むほか、カクテルやお菓子の材料としても利用されています。
カルヴァドスなかでも、日本で人気が高いカルヴァドス「Christian Drouin(クリスチャン・ドルーアン)」は、家族経営のブランドです。最近、世代交代されたとのニュースを聞き、早速蒸留所を訪ねてみました。
この蒸留所は、観光で有名な港町のHonflour(オンフルール)から車で15分のところにあります。
敷地内
『Calvados Christian Drouin』の看板が飾られている門をくぐると、すぐに駐車場があります。その奥の敷地には、手入れされた花壇を中心に、蒸留所や貯蔵所、オフィスなど、ノルマンディースタイルの建物が点在しています。
16世紀の頃のパンの焼き釜(Four a pain)が当時のまま残されている棟もありました。
蒸留機とパンを焼いていた窯
庭園にはリンゴの木がたくさん植えてあり、近くで観察すると、リンゴの実が小さいのに驚きます。1本のカルヴァドスに、これらのリンゴ14kgが使われるそうです。 カルヴァドスのりんご
3代目の経営者Guillaume氏にお会いし、お話を伺いながら案内していただきました。ブランドの歴史を聞くと、元は、お酒好きのおじいさまが、ご自身が楽しむためにりんごの蒸留酒を作りはじめたのが発端だそうです。
1979年に、お父さまのChristian Drouin氏が後を継ぎ、本格的に事業に取り組んだとのこと。周りの土地を買い足して、そこに新たにリンゴの木を植え、カルヴァドス界の「Petrus(ペトリュス)」(最高峰のワイン)を目指す意気込みで質を追求し、生産に励んだそうです。その多大なる貢献で会社は大きく成長し、現在ではヨーロッパのみならず、日本を含め世界各国で販売されていると誇らしく語ってくれました。
Christian Drouin氏と息子さんのGuillaume氏
Guillaumeさんに、3代目として彼が目指す方針を尋ねると、質を大事にする伝統を基盤とし、そこに新たな時代にあうエスプリを加えていきたいとのこと。その彼が、最近のカクテルのトレンドに着目し、自身でアッサンブラージュ(フランス語で「ブレンドする」)し、作り上げた商品が「Le Jin」。このプロジェクトには2年以上を費やしたそうです。最近、日本で発表会を行い、その場で即完売になったという人気商品です。
Le Jin
ふんわりとリンゴの甘い香りがする蒸留所を、Guillaum氏とともに、小一時間かけて見学しました。その後、過去に獲得した賞状が壁に多く飾られている部屋の一角、カルヴァドスがたくさん並ぶバーカウンターで試飲をすすめてくださいました。
たくさんの賞状が飾られた部屋車で来ていたので、少しだけ味見させていただきましたが、同じカルヴァドスというお酒でも、年代によって収穫したリンゴの特徴や樽に寝かせる期間で味が変わり、奥が深いのだと改めて実感。お土産に、樽に15年寝かせているというCalvados du Pays d’Augeの Hors d’Ageを1本購入しました。
樽今回蒸留所を訪ね、Guillaumeさんとお話をして、カルヴァドス1本のなかには、家族の伝統、誇り、そして作り手としてのこだわりなど、たくさんの歴史や思いが詰まっているのだなと感銘を受けました。
家の暖炉の前で、仲良しの友人とこのカルヴァドスを飲みながら語り合う……そんなことを想像すると、普段はあまり好きではないフランスの寒くて暗い冬が何となく待ち遠しいような気持ちになりました。
Calvados Christian Drouin
Le lieu Saint Pierre 14130 Coudray-Rabut
Tel : (33) 02 31 64 30 05
http://www.calvados-drouin.com